錦蘭会分裂の経緯
錦蘭会分裂の経緯
※様々な言い分がある中で、判決文で明らかにされた裁判所の認定事実を裁判の公開原則に従って掲載しています。
錦蘭会分裂の真相
光田実会長を失った錦蘭会は、役員決議にて小林保治氏を新しい会長に迎え入れる事となりましたが、
その後、商標登録がなされた別の錦蘭会が登場し、周知の通り多方面に様々な混乱が生じる状況となりました。
商標登録がなされても趣味の団体に対し、錦蘭会の名称を排他的に独占出来ない事が明らかとなりましたが、
小林氏は真相解明による混乱収拾の為に、これまでの経緯を裁判所にて明らかにし裁定を委ねる事としました。
錦蘭会が分裂するまでの経緯と真相
~以下、判決文と提出資料より~
2008年 8月19日
光田会長死去
2008年10月12日
会長職不在で第90回錦蘭会秋季品評大会が開催
2008年12月 7日
慰労会と併せて役員会が開催
・尼崎市社会福祉協議会会館にて空席となっていた会長職を役員会にて決める事としていた
・当時、会長代行を務めていた牧之段氏が選挙によらず会長に就任しようとした事で紛糾した
・結局、常任理事10名のうち紛糾原因の3名を除き、7名の中から会長職を決める事とした
・翌日、7名の中で少なくとも4名が小林氏支持に至り、小林氏も会長就任を承諾した
※決議結果 ・・・ 小林氏を支持:5名(小林氏も含む) ・ 不支持または保留:2名 ・ 棄権:3名
2009年 1月吉日
2009年1月1日からの小林氏を会長とする錦蘭会の新役員体制を会員に郵送
2009年 1月21日
小林氏他の理事に諮る事なく、牧之段氏が「錦蘭会」を商標として出願
2009年 3月
小林氏他の理事に諮る事なく、牧之段氏を会長と表示した錦蘭会名義の案内状が作成され会員に郵送
2009年 4月 1日
小林氏他の理事に諮る事なく、牧之段氏を会長と表示した「錦蘭会 公式ホームページ」が開設
2009年 4月 2日
小林氏他の理事に諮る事なく、牧之段氏を会長と表示した錦蘭会名義で報告書が作成され会員に郵送
※報告書には、商標登録で錦蘭会名称の独占が出来る事・商標登録のない錦蘭会は偽物である事など法的には誤った記載があった
※役員会後、錦蘭会の財産(会計・印・各物品等)は小林体制へ移されず、牧之段派に渡ったままその後も使用を継続した
錦蘭会の判決
2010年12月28日 ・・・ 判決 :小林会長の原告錦蘭会全面勝訴
2011年 8月30日 ・・・ 判決 : 小林会長の原告錦蘭会全面勝訴 「上告されずに確定判決となり決着」
2011年12月22日 ・・・牧之段派が占有していた財産が小林代表の原告錦蘭会へ返却される。
錦蘭会の正当性
大正4年からの錦蘭会は法人格のない社団であり、役員会で小林氏を会長に選出したと認められる
※分裂前の錦蘭会と小林保治会長の原告錦蘭会は同一の社団であると認められる
※分裂前の錦蘭会と牧之段派が錦蘭会と称する団体は同一の社団であると認めるに足りる証拠はない
原告錦蘭会と牧之段氏らの主張と判決
※様々な言い分がある中で、裁判所が認めた事実を裁判の公開原則に従って客観的に掲載しています。
原告と被告
原告は錦蘭会(代表・小林氏)/被告は牧之段氏と東瀬戸氏
裁判での錦蘭会の区別と各々の主張
前錦蘭会 : 2008年12月7日までの錦蘭会
原告錦蘭会 : 錦蘭会(小林会長)
登録錦蘭会 :牧之段氏ら
【原告錦蘭会:錦蘭会(小林会長)の主張】
~以下、判決文より~
争点1
前錦蘭会は団体としての組織・代表の方法・総会の運営・財産管理等を備える法人格なき社団である。
前錦蘭会と原告錦蘭会は同一である。
前錦蘭会は独自の会則を定め、「会長・副会長は常任理事の選挙により選出する」旨も定められていた。
前錦蘭会は独自の財産を保持し、専門の担当者がこれを管理することになっている。
前錦蘭会は光田会長個人とは完全に独立した実体を備えている。
争点2
本件金員の返還請求権は認められる
争点3
本件動産の引渡し請求権は認められる。
【牧之段氏ら(登録錦蘭会)の主張】
~以下、判決文より~
争点1
前錦蘭会は内部組織性・財産的独立性・対外的独立性が欠如しており法人格なき社団の要件を満たさない。
原告は当事者能力を有さず訴訟要件を欠く。
内部組織性の欠如:前錦蘭会は代表者選出・団体の意思決定方法等が確定されていない。
財産的独立性の欠如:前錦蘭会は構成員から独立した財産を持っていない。
対外的独立性の欠如:前錦蘭会は光田氏の団体であり光田氏から独立していない。
争点2
本件金員は登録錦蘭会として受領したものである。原告錦蘭会に本件金員を渡すとの約定はない。
争点3
本件動産は亡光田会長に帰属するものである。本件動産の引渡しを求める権限はない。
提出資料や度重なる弁論を基に下された判決
【判決のまとめ】
・分裂前の錦蘭会は法人格のない社団であり、役員会で小林氏を会長に選出したものと認めることができる。
・分裂前の錦蘭会と原告錦蘭会(小林会長)は同一の社団であると認められる。
・分裂前の錦蘭会と登録錦蘭会(牧之段氏ら)は同一の社団であると認めるに足りる証拠はない。
・本件金員は登録錦蘭会(牧之段氏ら)ではなく分裂前の錦蘭会を継承した原告錦蘭会(小林会長)に帰属すべきである。
・本件金員を登録錦蘭会(牧之段氏ら)に交付するとの意思を示したと認める余地はない。
・本件動産は登録錦蘭会(牧之段氏ら)ではなく分裂前の錦蘭会を継承した原告錦蘭会(小林会長)に帰属すべきである。
・本件動産は光田氏から独立した財産であり、牧之段氏らと光田氏の個人的な寄託契約とは認めることができない。
判決文(原文の一部)
前錦蘭会の法人格なき社団性の有無について
前錦蘭会は、らんちうの品質向上を促進し、会を通じ地域社会の奉仕・発展に寄与するという一定の目的を有するおよそ500名前後の多数人の結合体で、大正4年以来90年以上にわたり、退会等に伴う会員の変動にかかわらず存続しており、その内部には一定の組織を有し、各会員の生活活動から独立した社会的活動をなし、しかも団体の規約である「錦蘭会会則」により代表者の定めをも有するものであることなどを考慮すると、前錦蘭会は、民事訴訟法29条にいう「法人でない社団は(中略)代表者(中略)の定めがあるもの」として、適法な当事者能力を有するものというべきであり、その代表者たる会長は当然に前錦蘭会を代表して訴訟追行権を有するものと認めることができる。
なお、少なくとも、亡光田会長存命中の平成18年ころの会則に照らすと、その管理運営において多数決の原則が十分に行われていたとは窺い難く、団体の民主的管理運営という点において欠陥があるといわなければならないが、会員ないし役員会において、亡光田会長の決定等に同意ないし追認していたことは明らかであるし、前錦蘭会が社団であって代表者の定めもあり、上記のとおり、社団として社会的活動をしているものであることを考えると、かかる民主的欠陥をもって、法人格なき社団性までを否定することはできず、この点に関する被告らの主張は採用できない。
前錦蘭会と原告錦蘭会(小林会長)の同一性について
前錦蘭会は、その役員会を構成する10名の理事のうち、会長を選出する役員会において、3名の常任理事が会長の選出に関わらないこととする旨合意し、残る7名の常任理事の間で話し合いが行われたが、平成20年12月7日時点では結論が出せなかったこと、その翌日、○○理事が小林保治理事の会長就任について、電話等で他の常任理事の意向を確認した結果、少なくとも4名の常任理事の賛同が得られたことからすると、前錦蘭会は、その役員会において持ち回り決議の方法により、小林保治理事を会長に選出したものと認めることができる。
そうすると、前錦蘭会の役員会で選出された小林保治理事を会長とする原告錦蘭会は、前錦蘭会の役員会として、小林保治理事を空席となっていた会長職に選任したことで、存在するに至ったものである以上、原告錦蘭会と前錦蘭会とは、同一の社団であるものと認める事ができるから、上記のとおり、原告錦蘭会は、法人格なき社団として、本件訴訟において、当事者能力を有する社団であると認めることができ、これを否定する被告らの主張は採用できない。



















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